犬社会のおもしろルールって？犬同士の世界にある“独自のマナー”とは【しぐさ・行動の意味を解説】

「うちの犬が他の犬と遊ぶとき、よく変なしぐさをするけど、あれって何だろう？」
「犬同士でじっと見つめ合ったり、お尻をかいだりするのってどういう意味？」

犬を観察していると、人間とはまったく違うコミュニケーション方法に驚くことがあります。実はそこには、**犬社会ならではのおもしろい“ルール”や“マナー”**が存在しているんです。

この記事では、犬社会におけるおもしろルールや犬同士の付き合い方に隠された意味を、行動心理の視点からわかりやすく解説します。犬の行動に秘められた豆知識を知れば、きっともっと愛犬との絆が深まりますよ。

そもそも「犬社会」ってなに？

犬社会とは、犬同士が自然と築く序列やマナー、コミュニケーションの形を指します。
群れで生きる本能をもつ犬たちは、言葉がなくても表情やしぐさ、体の使い方でお互いに意思疎通を図ります。

その中には人間から見ると「変わってる！」と思える行動もありますが、犬にとってはきちんとした意味や目的をもった大切なルールなのです。

犬同士が出会ったときにまず行うのが、お互いのお尻のにおいをかぎ合う行動です。
これは犬にとって「こんにちは」の意味であり、相手の性別や健康状態、気分をチェックする名刺交換のようなもの。

ちなみに、急にかがれるのを嫌がる犬もいるため、様子を見ながら距離感を保つのも“犬流のマナー”です。

人間の世界では「目を見て話す」が礼儀ですが、犬社会では逆効果。
犬同士が正面から目をじっと見つめ合うのは、「やるか？」という緊張のサイン。

仲良くしたいときには、犬は視線をそらしたり、体を斜めに構えたりすることで敵意がないことを伝えます。

犬が他の犬の前でお腹を見せてごろんとするのは、「降参します」「あなたが上だよ」というメッセージ。
これにより、ケンカや緊張を避けることができます。

この行動は、人間でいえば“空気を読んで場を和ませるタイプ”の優しさなのかもしれません。

犬が他の犬の上に乗ろうとする「マウント行動」は、単なる性的な意味ではなく、優位性を示す行動でもあります。

ただし、しつこいと相手が怒ることもあるので、犬同士のバランスを見極めることが大切です。

じゃれ合うように取っ組み合いをする行動は「ワンプロ」と呼ばれ、仲の良い犬同士でよく見られます。
歯をむき出しにしたり吠えたりしても、お互いに怪我をしないよう手加減しているのが特徴です。

※一方が嫌がって逃げている場合は“遊び”ではなくなるので要注意。

犬同士の緊張を和らげるために使う“ボディランゲージ”を**「カーミングシグナル」**といいます。
代表的なものには、以下のような行動があります。

犬社会では、こうしたサインを使って「落ち着いて」「敵じゃないよ」と伝えているのです。

「犬は犬ならみんな仲良くできる」と思いがちですが、犬にも相性や好みがあります。
年齢、性格、性別、過去の経験などが関係し、「この犬とは合うけど、あの犬は苦手」と感じることも。

無理に仲良くさせようとせず、犬の気持ちを尊重して付き合い方を調整することが大切です。

犬の世界のルールを知っておくと、以下のようなメリットがあります：

さらに、犬にとっても“わかってくれる飼い主”がいると安心感が倍増します。

愛犬が犬社会の中でうまくやっていけるように、以下のようなサポートをしてあげましょう。

犬の世界には、人間とはまったく異なる価値観やルールが存在しています。
それを「変わってる」と思うのではなく、「そういう世界があるんだ」と受け入れることで、飼い主としての理解力や愛犬との信頼関係も格段に深まります。

日常の散歩やドッグランで出会う“犬社会”のやりとりに、ぜひ目を向けてみてください。
きっと、今まで見えなかった愛犬の「気持ち」や「個性」が見えてくるはずです。